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「テキストマイニングと自動分類によるカスタマーサービスの改善」航空会社のRapidMiner導入事例 - Natic | Application Modernization Platform – 日商エレクトロニクス

「テキストマイニングと自動分類によるカスタマーサービスの改善」航空会社のRapidMiner導入事例

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カリブの航空会社LIATのケーススタディです。LIATのカスタマーサービス部門は、顧客からの大量の問い合わせを選別し、適切な部門に届けるためのシステムを必要としていました。RapidMinerのテキストマイニングと自動分類を活用し、適切な部門へメッセージを自動振り分けすることで、迅速な顧客対応を実現し、顧客満足度向上に成功した事例です。

顧客情報
LIAT(Leeward Islands Air Transport)
場所
カリブ
業種
航空会社
顧客
本社はアンティグアにあり、LIATはカリブ諸島内15か所の行き先に対し、島間定期便を運航しています。

サマリ

  • カリブの大手航空会社であるLIATは、応答性の欠如に関する批判と苦情に直面し、カスタマーサービスを改善する必要がありました。
  • RapidMinerで構築されたテキストマイニング及び予測分類モデルは、関連する部門へ顧客メッセージを伝えるようになりました。
  • カスタマーサービス部門は、これらのメッセージを手動で選別する必要がなくなり、代わりに顧客の問題とニーズへの対応に集中できます。
  • LIATに対する否定的なソーシャルメディアの感情は、ほぼ90%から40%台前半に低下しました。
  • このような早期の成功により、LIATのリーダーやスタッフはデータサイエンスでの運用やその結果を改善するための多くの機会を得ることができました。

目次 Table of Contents

  1. LIATとRapidMinerユーザー企業について
  2. LIATのニーズ:問い合わせや苦情へより迅速な対応で顧客との関係を改善
  3. RapidMinerが顧客メッセージの自動ルーティングを可能にし、LIATのカスタマーサービス部門は適切な優先事項に集中して作業することができます
  4. RapidMinerは、ビジネス課題に全く新しい考え方を示します
  5. 今後の計画:RapidMinerは、 LIATの需要予測と収益管理を支援します

LIATとRapidMinerユーザー企業について

LIAT(正式にはLeeward Islands Air Transport)は、アンティグアに本社を置くカリブの航空会社です。LIATは、カリブ諸島内15か所の行き先に対し運航しています。主な拠点は、アンティグア・バーブーダのVCバード国際空港、他拠点としてバルバドスとトリニダード・トバゴがあります。
同社は60年以上事業を行っており、旅行者のほとんどはカリブ外からの観光客、トラフィックのほとんどは地元の住民で定期的に島間を行き来する必要がある価格に敏感なリピーターで構成されています。

機内クラスに基づいて価格を変更する機会がほぼ無い小さな飛行機では、フライトは一般的に30分以下と短くなる傾向があります。
これらすべての要素が、航空会社にとって困難な経済状態を作りだしています。

それでも近年緊縮財政の時期に政府はこれまで以上に財政面の自給自足を強いています。これによりいかなる新技術やビジネスの採用のためにも、強く明確なビジネスケースが必要とされる運営環境が生まれました。

長年データマイニングの専門家であり、コンサルタントでもあるバート・ライリー氏は、航空会社とのコンサルティングプロジェクトを成功させた後、 LIATの依頼でセールス及びマーケティング部門の責任者に就任しました。

RapidMinerの主要ユーザーであるバート氏は、データサイエンスが航空会社の業務改善にもたらす力を、LIATのスタッフに浸透させる役割を担っています。

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LIATのニーズ:問い合わせや苦情へより迅速な対応で顧客との関係を改善

航空会社は、人的リソースがひっ迫しており、カスタマーサービス部門以上に当てはまるところはありません。

LIATのカスタマーサービス部門はたった2名で構成されています。このチームは、1日平均で約500件送られてくるメール・ウェブサイトへの投稿・ソーシャルメディアを介して配信される顧客からのメッセージに絶え間なく追われていました。それらの多くが、実際にカスタマーサービス部門宛とは限りません。

メッセージの多くは、ルートや運賃に関する問い合わせ(予約部門の担当)や手荷物の紛失(運用部門の担当)など、ほかの部門が処理する問題です。

また、顧客が実際に何を要求しているのか、はっきりしないメッセージも含まれていました。

しかしカスタマーサービス部門はメッセージを区別する方法がなく、メッセージをひとつずつソートしいくつかに直接回答したり、そのほかのメッセージを別部門にルーティングしたり、場合によってはメッセージの送信者に詳細を確認する必要がありました。「顧客は、問い合わせやメッセージに対するLIATの反応が遅く、応答しないと感じていました。カスタマーサービス部門は常にお客様をサポートするために一生働いていましたが、メッセージの量に圧倒され、追いつくことができませんでした。」とバート・ライリー氏は述べています。

この、無反応と認識させていることについては、主要なソーシャルメディアの投稿や、LIATを否定的な観点から書いたマスコミにも、痛々しい表現で報道されました。特にソーシャルメディアの投稿は深刻でした。

ある一定期間にLIATに対するソーシャルメディアのコメントでは、主に問い合わせや問題への応答性の欠如について、約90%がネガティブと答えていると計算されました。

RapidMinerが顧客メッセージの自動ルーティングを可能にし、LIATのカスタマーサービス部門は適切な優先事項に集中して作業することができます

LIATは、カスタマーサービス部門宛ではない、他部署に転送するメッセージの量を減らす手段が必要であると分かっていました。

重要なのは、カスタマーサービス部門が手動で選別を行う必要がなく、顧客メッセージを適切な部門に届けることです。

これにより、カスタマーサービス部門内で対処するメッセージに集中することができ、顧客体験が向上します。RapidMinerはこれを可能にしました。

LIATはRapidMinerのテキストマイニング機能を使用し、受信したすべての顧客メッセージをキーワードとフレーズに解析するプロセスを構築しました。
そしてテキストマイニングで分析されたコンテンツに基づいて各メッセージを処理する部門を分類する予測モデルを構築します。

予測モデルがメッセージの内容を分類するのに十分ではないことを示す場合、「運賃について問い合わせていますか︖」のような、特定の用語で追加情報を求める自動応答が顧客に返送されます。

これらのモデルは、RapidMinerのプロセスを使用しインポートしたデータによって供給され、プラットフォームの組み込みTwitterプラグインから、LIATによって作成された他のカスタムデータインポートメカニズムに至るまで、様々です。

「今、顧客からメッセージが届くと自動的に適切な部門にルーティングされます。」とライリー氏は述べています。「私たちのカスタマーサービス部門は、顧客体験向上のために彼ら宛のメッセージが優先順位をつけられていることを知った上で仕事が始まります。そして、ほかの部門にも適切な顧客メッセージが届きます。私たちのチームはより効率的に仕事をし、お客様は改善されたサービスに満足しています。」

RapidMinerは、LIATが明らかに顧客の感情を改善するのに役立っています顧客の感情への影響は劇的です。

LIATの主要な指標であるソーシャルメディアからのネガティブな意見は、ほぼ90%の高値から40%台前半へ半数以上減少しました。重要なことに、これは現在LIATに対する感情のほとんどがポジティブ(又はニュートラル)であることを意味します。これは、カスタマーサービス部門による顧客メッセージへの迅速な対応によるものもあります。

また、お客様をより幸せにするためにカスタマーサービス部門が他の長く無視されてきた課題に取り組む時間が増えた、ということも理由のひとつです。

現在RapidMinerはカスタマーサービス部門の中で最も困難で、また付加価値の低い部分を処理しておりカスタマーサービス部門がより多くの仕事をこなせるように支援しています。カスタマーサービス部門は幸せです。

メッセージのルーティングという面倒な作業に費やす時間を短縮するだけでなく、自分たちの役割がLIATのブランドにとって、より戦略的で影響力のあるものになり、市場での地位を確立していることが分かるからです。

RapidMinerは、ビジネス課題に全く新しい考え方を示します

ライリー氏には、RapidMinerを活用する前にminitabからStatistica、Rに至るまで様々なデータサイエンスプラットフォームとツールを活用した経験があります。
彼は、RapidMinerでのモデルとデータプロセスの構築に適応することに時間がかかったことを認めています。しかし、一度RapidMinerのやり方を理解する努力をしたことで、彼の生産性と効果に大きなプラスの影響を与えることができました。

「RapidMinerには確かに学習曲線があります。」とライリー氏は言います。「レガシーなツールとは異なり、ユーザーインターフェイスと用語を調整する必要があります。しかし私はそれを行ったので、他のツールよりRapidMinerを使用しています。以前使っていたものよりもずっと早くモデルを構築し、結果を分析することができます。RapidMinerを習得すれば、すべてが簡単になります。」

実際ライリー氏はRapidMinerを使いこなすようになったため、より簡単にLIATが恩恵を受けるビジネスインパクトのあるプロジェクトに目を向けることができるようになりました。

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今後の計画:RapidMinerは、 LIATの需要予測と収益管理を支援します

ライリー氏が確認した将来の新しい取り組みの中には、LIATの需要予測プロセスを改善するプロジェクトが含まれています。多くの航空会社はフライト価格を設定し、フライト日が近づくと価格を引き上げるという、伝統的なプロセスに従います。しかしLIATは、より洗練された価格設定のアプローチが最適だと感じています。RapidMinerを使用することで、LIATは各フライトの需要をよりよく理解し、適切に価格を設定できると期待しています。

より一般的には、カスタマーサービス部門の早期での成功は、データサイエンスが航空会社にもたらす価値をLIAT内の他の人たちに理解してもらうのに役立っています。多くの企業と同様LIATの一部の人々は、データサイエンスがライリー氏が説明しているようなメリットをもたらすことができるとは最初は信じていませんでした。しかし疑っていた人々は、この絶好の機会に期待し始めています。

 

RapidMinerの紹介

Rapid Minerはデータサイエンティスト向けの高度さからビジネスユーザーのための簡単さまでカバーした、世界中で使われている機械学習プラットフォームです。

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本記事は、米RapidMiner 社ホームページ内、RapidMiner BLOGに掲載されている”Improving Customer Service with Text Mining and Auto-classification ”を翻訳したものです。

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