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導入事例 三島信用金庫様 - Natic | Application Modernization Platform – 日商エレクトロニクス

導入事例 三島信用金庫様


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企業名:三島信用金庫様

三島信用金庫では、帳票類の「ペーパーレス」化に電子帳票システム「e-COOD」を採用し、コスト削減・セキュリティ強化など効果を上げている。システムの導入の経緯とその効果について詳しくお話を伺った。


目次

1. 電子帳票システム導入の背景
2. セキュリティ面や情報伝達の速さがe-COOD導入のキメ手
3. 帳票電子化のメリットは、セキュリティコスト面にとどまらない
4 .e-COOD活用に関する今後の展望
5. e-COOD導入後にあたって


1. 電子帳票システム導入の背景

紙をベースとした業務からペーパーレス化へ

多くの営業拠点を持つ金融機関の場合、勘定系システムから出力される大量の帳票を提供する手段として、これまではペーパーやCOM、CD-Rなどが活用されてきました。しかし、これらの媒体は、「出力」「仕分け」「配送」にコストと手間がかかる上、相手先に帳票が届くまでにタイムラグが発生してしまいます。さらに紙をベースとした業務は、情報検索にも多くの時間を要するとともに、膨大な量の帳票を補完するスペースも確保する必要がありました。加えて、個人情報保護法が試行されて以降、金融機関は情報漏えいに関しても大変敏感になっていました。

電子帳票システム導入のRFPとは

このような問題を抱えた中、三島信用金庫では、2007年の理事長交代を機に、経営サイドから「ペーパーレス」というキーワードが打ち出されました。業務効率アップとセキュリティ強化を図るため、電子帳票システム導入の検討が開始されました。
導入にあたり、同社が重視した点は以下の5点でした。

1. 情報のセキュリティ性が高いこと
2. 現在の運用からスムーズな移行が可能なこと
3. 処理のスピードが速いこと
4. ワークフロー機能が使えること
5. ベンダーとの長期的な信頼関係が保てること

当社、同社では、三~四社からシステムの提案を受けていました。そして数回にわたるデモや詳細な機能比較を経て、最終選考には、日商エレクトロニクスのWeb型電子帳票システム「e-COOD」(以下e-COOD)と他社の電子帳票の一社に絞られました。その後、サンプル帳票の作成や説明会の開催。ユーザー見学会などを進める過程の中で築かれた信頼関係から、最終的に日商エレクトロニクスのe-COODに決定しました。


2. セキュリティ面や情報伝達の速さがe-COOD導入のキメ手

電子帳票化による強固なセキュリティを実現

「重要な書類を万が一紛失した場合、個人情報の流出は金融機関として命取りになる可能性があります。帳票を電子化することで、書類の紛失の心配がなくなったのは、何よりの安心材料です。」

2008年10月より、e-COODの運用をスタートさせた三島信用金庫 事務部 調査役の中村 直樹氏は、帳票の電子化はまずは、セキュリティ面で大きなメリットが得られる、と語ってくれました。紙などで作成された帳票は、誰が何をしたのかをチェックすることが難しい上、不正に複写や持ち出しすることも不可能ではありません。加えて紛失や改ざんのリスクも考えられます。e-COODを導入したことで、情報の集中化による厳格な管理が可能となり、セキュリティは格段に強化され安全性も高まりました。「e-COODの場合、誰がどのパソコンでどんな作業をしたのか、というところまで把握ができます。このようなことは従来の紙ベースの運用ではできませんでした。また、他の電子帳票システムは、作業した人は特定できてもパソコン単位までの追跡はできませんでした。これは、e-COOD導入の大きな要因となりました。」

紙ベース時代と同様な運用ポリシーが可能

中村氏はさらに、「e-COODは、電子帳票の保存期間が完全に紙ベースの運用のしくみと同じだったこと」も安心材料として挙げられました。「帳票の保存期間が一年だった場合、e-COODは期限が来れば紙をシュレッダーにかけるのと同じように、データを自動的に消去してくれます。他の電子帳票システムの場合、手動で消去しない限り、データはずっとサーバーの中に残ったままになっていました。e-COODは、紙ベースで取り扱っていた運用方法と同じ感覚で使えるので、その点もe-COODに決定する要因となりました。」

一分間に約8,000枚の処理スピード

また、「処理速度で着目した点は、ホストコンピュータで作った帳票を電子化する変換スピードです。e-COODは、他の電子帳票と比べて、一分間に約8,000枚という圧倒的な処理スピードでした。」(中村氏)毎日多くの帳票を出力する業務を考えると、処理が速いということは、大きな魅力でした。さらに「電子化しても、紙ベースで行っていた業務と同様に係印・承認の業務が画面上で実現できたこともキメ手となりました。」(事務部部長・小長谷一清氏)
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三島信用金庫
事業部 部長
小長谷 一清氏

また、経済性もチェックポイントの一つに挙げられます。紙ベースの帳票を電子化すれば、その分の用紙代や印刷代などがかからなくなり、コストダウンにつながります。さらに保管するときのバインダーや保管場所もいらなくなります。こうしたコスト面でも電子帳票化にはメリットがありました。


3. 帳票電子化のメリットは、セキュリティコスト面にとどまらない

人的リソースの有効活用
e-COODを実際に導入してみた結果、さまざまな効果が現れました。まず、使用する紙の量が減ったこと、導入前に比べ約1/6になったそうです。用紙代だけ考えても、大きな経費削減につながりました。また、帳票を仕分けする作業が減ったことで、それにかかわっていた人が他の作業に回れる、というメリットも生まれました。かつては、システム部門で印刷し、さまざまな部署に仕分けをしなければなりませんでしたが、その作業は、e-COODの導入により不要になりました。また、これまでは、帳票を受け取った担当部署は、それを営業店ごとに分配していました。その作業もすべてe-COOD上で行えるようになりました。その分、時間が有効活用できるようになり、仕分けをする人の精神的、肉体的負担の解消にもつながっています。

電子帳票化による大きな「業務改善」「コスト削減」

「必ず閲覧しなければならない帳票が、月に一度は出ます。紙ベースだった頃は、担当部署である程度帳票がたまってから配っていました。その際、どうしても行きわたるまでにタイムラグが生じています。e-COODを導入したことで、そうした帳票もすべての部署にリアルタイムで届くようになりました。その結果、営業店は、いち早く業務に取りかかることができるようになり、さらに現在では、作業がどこまで進んでいるかなど、帳票閲覧状況を本部のほうでも確認できるようになりました。」
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三島信用金庫
事業部 調査役
中村 直樹氏

それまで監査部門は、営業店に出向いてチェックしていたものが、電子帳票化により本部にいながらチェックできるようになったのです。「時間の短縮だけでなく、車で出かけたりする諸経費を抑えることにもつながる。」と中村氏はさらなるプラス効果を教えてくれました。このように電子帳票化することでさまざまなメリットが生まれ、大きく業務改善が図られました。


4. e-COOD活用に関する今後の展望

「直近の目標としては、基幹システムのオープン化に対応したe-COODのオープン対応があります。
もう一つ、現時点で検討しているのが、アクティブ・ディレクトリ(AD)との連携です。
職員の社内異動の際には、必ずADを変更しますが、これに連動してe-COOD上の職員も変更されるようになれば、管理の負担を大幅に減らすことができます。」


5. e-COOD導入後にあたって

e-COOD導入後の感想について、中村氏は以下のようにコメントしています。
「導入時には、日商エレクトロニクスのシステムエンジニア(以下 SE)が常駐し、私たちが出すさまざまな要望に懇切丁寧に応えてくれました。システムを当金庫用にカスタマイズしてくれ、今でも大変助かっています。実際にシステム導入後もSEの方がこまめに来てくれ、親身になって相談にのってくれています。だからこそ、たとえトラブルが起こったとしても安心感があります。メンテナンスにもすぐに対応してくれています。どんなにすばらしいシステムを有していても信頼関係を築くことができなければ、きちんと機能しません。最終的に人間力が大切なのでしょう。」

導入直後は、紙で見たほうがわかりやすい、という声も上がったが、今では、職員一同e-COODを100%以上使いこなしている、ということでした。
今後もペーパーレスソリューションにより、さらなる事務効率化を図るため、e-COODに課せられた役割は大きいことでしょう。


*取材日 2009年12月
*記載の担当部署は、取材時のものです。